電気設計エンジニアの仕事内容|強電・弱電・制御の世界を分かりやすく解説

F-04 製造業キャリア・職種

「電気設計」という仕事、聞いたことはあっても、具体的に何をしているかイメージできる方は少ないかもしれません。

実は電気設計には 3つの世界があり、それぞれ違うスキルが求められます。

この記事では、電気設計エンジニアの仕事を、未経験の方にも分かるように解説します。

  1. この記事で分かること
  2. 結論:電気設計は「電気の流れを設計する」仕事
  3. 電気設計の3つの分野
    1. 分野①:強電設計(受変電・配電・モーター)
      1. 仕事内容
      2. 関わる業界
    2. 分野②:弱電設計(電子回路・通信)
      1. 仕事内容
      2. 関わる業界
    3. 分野③:制御設計(PLC・シーケンス)
      1. 仕事内容
      2. 関わる業界
  4. 電気設計の仕事の流れ
    1. ステップ①:要件のヒアリング
    2. ステップ②:基本設計
    3. ステップ③:詳細設計(CAD図面作成)
    4. ステップ④:強度・安全性の検証
    5. ステップ⑤:製作・据付立会い・試運転
    6. ステップ⑥:引き渡し・トラブル対応
  5. 必要なスキル・知識
    1. 技術スキル
    2. 関連資格(強み)
  6. 年収レンジ
    1. 経験別の年収目安
    2. 業界別の傾向
  7. 未経験から目指す3つのルート
    1. ルート①:エンジニアリング派遣会社経由(最も現実的)
    2. ルート②:電気工事士からのキャリアアップ
    3. ルート③:直接入社(中堅メーカー)
  8. 電気設計に向いている人
    1. 向いている人の特徴
    2. あまり向かないかもしれない人
  9. キャリアパスの広がり
    1. 縦の専門化
    2. 横の展開
    3. 業界転換
  10. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 文系出身でも電気設計になれますか?
    2. Q2. 機械設計と電気設計、どちらを選べば?
    3. Q3. 30代未経験でも目指せますか?
    4. Q4. 残業は多いですか?
    5. Q5. 自宅でも勉強できますか?
  11. まとめ
  12. 電気設計エンジニアの道を一緒に考えませんか
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この記事で分かること

  • 電気設計の3つの分野(強電・弱電・制御)
  • 具体的な仕事の流れ
  • 必要なスキル・資格
  • 年収レンジ
  • 未経験から目指す3つのルート

結論:電気設計は「電気の流れを設計する」仕事

最初に結論をお伝えします。

電気設計エンジニアは、製品や設備に流れる電気の流れを設計する仕事です。

扱う「電気」の種類によって、3つの分野に分かれます。

分野 扱う電気
強電(強い電気) 大電力(数百〜数万ボルト) 受変電設備、配電盤、大型モーター
弱電(弱い電気) 小電力(数〜数十ボルト) センサー、通信回路、計測機器
制御(コントロール) 機械を動かすための信号 PLC、シーケンス制御、産業用ロボット

→ どの分野に進むかで、必要なスキルもキャリアも変わります。


電気設計の3つの分野

分野①:強電設計(受変電・配電・モーター)

強電とは、家庭・工場・ビルで使われる大きな電力のことです。

仕事内容

  • 工場や建物の受変電設備(電力会社からの電気を施設用に変換する設備)の設計
  • 配電盤・分電盤の設計
  • 大型モーターの制御回路設計
  • 太陽光・風力など再生可能エネルギーの系統設計

関わる業界

  • 電力・エネルギー
  • ビル設備
  • 工場の電力インフラ
  • 産業機械

分野②:弱電設計(電子回路・通信)

弱電は、電子機器の中で扱われる小さな電気です。

仕事内容

  • 製品の中の電子回路の設計
  • センサー回路の設計
  • 通信回路(Wi-Fi、Bluetooth、LANなど)の設計
  • 計測・分析機器の回路

関わる業界

  • 家電・スマホ
  • 自動車(車載電子機器)
  • 半導体・電子部品
  • 医療機器

分野③:制御設計(PLC・シーケンス)

制御は、機械を「自動で動かす」ための仕組み作り。

仕事内容

  • PLC(工場の機械を制御する小型コンピューター)のプログラム作成
  • シーケンス制御(決められた手順で機械を動かす技術)の設計
  • 産業用ロボットの動作プログラム
  • 工場全体の自動化システム設計

関わる業界

  • 産業機械
  • 自動車工場
  • 食品工場
  • 物流(倉庫の自動化)

電気設計の仕事の流れ

電気設計の典型的な仕事の流れは以下の通りです。

ステップ①:要件のヒアリング

お客さん・社内設計部門から「何を実現したいか」をヒアリング。

例:「この工場で100kWのモーターを安定稼働させたい」

ステップ②:基本設計

要件をもとに、全体の構成を決める。

  • 必要な機器の選定(モーター、配電盤、ブレーカーなど)
  • 全体の電気回路の設計

ステップ③:詳細設計(CAD図面作成)

基本設計を、実際に施工できるレベルの詳細図面に落とし込む。

  • 配線図、結線図、レイアウト図
  • 部品リスト(BOM=Bill of Materials)

CADソフト:AutoCAD、E3.series、CR-8000 など

ステップ④:強度・安全性の検証

  • 電気的な計算(電流値、電圧降下、熱計算)
  • 安全規格への適合確認

ステップ⑤:製作・据付立会い・試運転

  • 工場で機器が組み立てられる過程に立ち会う
  • 現場で据付・試運転に立ち会い、問題があれば調整

ステップ⑥:引き渡し・トラブル対応

  • お客さんに使用方法を説明
  • 後日不具合があれば対応

必要なスキル・知識

技術スキル

スキル 重要度 内容
電気回路の基礎 オームの法則、キルヒホッフの法則など
CAD(製図ソフト) AutoCAD、E3.series、CR-8000 など
電気機器の知識 モーター、変圧器、ブレーカーなど
PLC・シーケンス(制御の場合) 三菱電機、オムロン、キーエンスなどのPLC
JIS規格・電気設備技術基準 電気設計に関する各種規格

関連資格(強み)

  • 電気工事士(第二種・第一種):電気工事の基礎資格
  • 電気主任技術者(第三種〜第一種):受変電設備の保安監督ができる
  • エネルギー管理士:工場の省エネを担当できる
  • 電気通信主任技術者:通信系の場合

これらの資格は取得していると評価が高く、手当の対象になる会社も多いです。


年収レンジ

経験別の年収目安

段階 経験年数 年収レンジ(傾向)
未経験スタート 0-1年 350〜450万円
担当業務に慣れる 1-3年 400〜550万円
主担当 3-7年 500〜700万円
シニア・リーダー 7-15年 600〜850万円
主任・課長クラス 15年以上 750〜1,000万円超

※業界・企業規模・地域で変動します。詳細は製造業の年収完全マップもご参照ください。

業界別の傾向

  • 半導体・自動車:相場より高め
  • 重工・産業機械:標準的
  • 電力・エネルギー:手堅い水準
  • 中堅メーカー:規模に応じた水準

未経験から目指す3つのルート

ルート①:エンジニアリング派遣会社経由(最も現実的)

派遣会社の正社員として、メーカーの電気設計部門に配属されるルート。

主な派遣会社(五十音順):

  • オープンアップグループ
  • スタッフサービス・エンジニアリング
  • テクノサービス
  • 日研トータルソーシング
  • メイテック
  • リクルートR&Dスタッフィング ほか

メリット:

  • 給与をもらいながら学べる
  • 入社時研修でCADや電気の基礎を学べる
  • 大手の現場で実務経験を積める

ルート②:電気工事士からのキャリアアップ

電気工事の現場経験者は、電気設計へのキャリアチェンジが現実的です。

  • 現場の感覚を持ったまま設計に入れる
  • 第二種電気工事士からスタートして第一種へ
  • 設計補助 → 担当 → 主担当の流れ

ルート③:直接入社(中堅メーカー)

中堅・中小の電気機器メーカーは、未経験OK求人を出すことがあります。

  • 入社後にOJTで学べる環境
  • 1人で多くの工程を経験できる
  • ただし求人数は限定的

電気設計に向いている人

向いている人の特徴

  • 論理的に考えるのが好き:電気は数式と論理の世界
  • 細かい作業が苦にならない:図面の正確性が重要
  • トラブルシューティングが好き:原因を追って解決するのが好き
  • モノを作るプロセスが好き

あまり向かないかもしれない人

  • 直感的に判断したい人
  • 細かい作業が苦手な人
  • 1人で集中する作業が苦手な人

キャリアパスの広がり

電気設計エンジニアの経験を積むと、次のキャリアが開けます:

縦の専門化

  • 電気設計担当 → 主任 → 課長 → 部長

横の展開

  • 生産技術(電気設備全般)への移行
  • 設備保全(電気設備の維持管理)
  • 電気工事の施工管理(工事現場側へ)
  • カスタマーサポート・営業技術

業界転換

  • 産業機械 → 自動車
  • 工場設備 → ビル設備
  • 強電 → 制御 など分野横断

よくある質問(FAQ)

Q1. 文系出身でも電気設計になれますか?

A. 可能です。電気設計は数学・物理の基礎が必要ですが、業務の中で学んでいくこともできます。文系出身者でも、電気工事士の資格を取りながら現場経験を積み、設計にステップアップする方は多くいます。

Q2. 機械設計と電気設計、どちらを選べば?

A. 興味の方向で決めるのが基本です。

  • 「機械の動き」が好きなら機械設計
  • 「目に見えない電気の流れ」が好きなら電気設計

製造業全体としては、両方できる「機電エンジニア」も評価されます。

Q3. 30代未経験でも目指せますか?

A. 可能性は十分にあります。前職経験(営業、製造現場、IT、電気工事など)が活きるルートもあります。派遣会社の研修制度を使うのが現実的です。

Q4. 残業は多いですか?

A. プロジェクトの納期前は残業が増える傾向ですが、平常時は比較的落ち着いています。会社・配属先で大きく異なります。

Q5. 自宅でも勉強できますか?

A. 無料で学べる教材が充実しています。

  • YouTube(電気設計のチャンネル)
  • 電気工事士の試験対策本
  • 無料のCADソフト(FreeCADなど)

入社前に基礎を学んでおくと、入社後のキャッチアップが早くなります。


まとめ

  • 電気設計は 強電・弱電・制御 の3分野に分かれる
  • 仕事の流れは 要件ヒアリング → 設計 → 検証 → 施工立会い → 引き渡し
  • 必要なスキルは 電気回路の基礎 + CAD + 電気機器の知識
  • 年収レンジは 未経験350万円〜・主任クラス750万円超(傾向)
  • 未経験からは 派遣/電気工事士から/中堅メーカー直接入社 の3ルート
  • 資格(電気工事士・電気主任技術者)が評価される

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